
建設業の社長さん(男性・63歳)との話です。
話題は、35年の社歴のある会社(社員40名・年商24億円)を経営してきて、業績は比較的順調に来ているが、年齢的にも少し疲れてきたので、今後の経営についてどう考えていけばよいか、と言うことから始まりました(この話を、HPに載せることについては、社長さんの了解をいていますが、詳細な内容についてはご本人の希望により省略します)。
社長さんには、お子さまが無く、また、最も信頼していて自分の後継者と自他共に認められていた52歳の役員が、2年前に他界されていたのです。この事が、今の社長さんの心を動揺させているようです。
お話ししていて、この社長さんの経営についての考え方に先ず感心しました。
経営するには、売上や利益が重要なことは論を待たないが、「人」を育てることこそ最も重要な経営者の仕事である、との信念で経営されており、社長さんは「自分の35年間は、人を育てることが仕事でした」と静かに話されました。
社長さんの「人を育てることが経営者の仕事」という経営思想は、誠にご立派という他はありません。中小企業の経営者で、ここまで徹底した「人育て経営」をされている人は、私の30年間のコンサルテイィング体験では記憶がありません。
財務諸表の一部を見せていただきましたが、社長さんの堅実な経営の仕方が充分に伺え知ることが出来ます。
さて今後のことですが、社長さんの本心には、M&A的な発想は全くなく、誰かに経営を任せて、永続的に繁栄を続くようにしておきたい、と言うことです。
この場合に、どのような資質のある人に経営を任せたらよいのか、に悩んで居られたのです。(誠にまじめな考え方のお人柄と推察しました)
ご本人の意中の人として、3名の方の名前が出ました。この3名の方について多くを語っていただき、話し合いをしました。話の流れで途中から更に2名を上げて いただき、この方々についても社長さんの評価をお聞きしました。
社長さんから「誰が適任と思うか」とのご質問により、私は最初の3名のうち1名、次の2名のうち1名を選びました。その理由として「この2名の方は、人を活かすことを心得ているように思います」、さらに加えて「経営に大切なことは人を活かす事であり、人を活かしてこそ成果が出ます」と、お答えしました。
いずれ会社を訪問することをお約束してお別れしましたが、別れ際に社長さんから「人を活かす事の重要さに、今改めて心にしみました」とのお言葉を頂きました。感謝