再生の芽
 平成17年8月から今年の3月までの間に、7回に分けて、私たちが企業再生を進める場合に必ず押さえておかなければならないPBM経営理論の基本である「7つのポイント」を説明してきました。
 今回の7回シリ−ズの反響が極めて大きく、これほど期待されて毎回アクセスしていただいた皆さんに心より感謝いたします。またこのシリ−ズ期間に経営者の方々からのご質問や相談を多くいただきました。
 私はメ−ルでご質問をいただいた方へは必ず一度はお電話することにしております。
 経営者の切実な声が大切な判断基準になるからです。
 そこで今回からは、今までにいただいたご質問のいくつかをこのネット上に公開して、お話を進めていきたいと思っております。
 第1回目は、「今までにコンサルタントが居たが、1年半たっても効果が出ない。コンサルタントを選ぶにはどんなところに注意したらよいか」というご質問です。
 コンサルタントには何でも出来る人は少ないと思います。
 コンサルタントには得意な分野と不得意な分野があります。それは建設業、卸売業、小売業などという業種であったり、企業活動の中にある機能(部署などの企業業務の役割のこと。例えば営業、生産、人事労務、経理財務など)であったりしますが、コンサルタントは自分の専門分野を充分に意識しています。
 依頼する側には、このコンサルタントは何が得意分野か、を先ず掴むことが先々成果に大きく響きます。5年間もコンサルティングを受けていながら、組織規模から判断しても長すぎるかな、と思われるお問い合わせ事案もありました。
 コンサルタントを分類すれば大きく2つのタイプに分けられると思います。
1.機能別コンサルタント
コンサルタントの得意な機能分野について成果を出していくタイプ
《例》
営業 マーケティング戦略、営業戦略の再構築などを通じて営業力を強化していく
財務 資金繰りの改善、銀行との折衝、資金計画の作成など
人事労務 給与システムの構築、労働条件の改善、労務助成金給付の申請など
生産 工場生産過程のやり方の改善と生産体制の再構築、人と設備のバランス測定など生産性向上に向かっての諸施策を講じる
流通 消費者と企業との商品流通過程を見直し顧客満足度を高めいく
教育 社員教育・幹部教育など「知」人の育成に寄与する
 日本では、この機能別タイプのコンサルタントが最も多く、自分の得意な能力が活かせますので、1人で活動している場合が多いのです。
 この種のタイプは、一部の機能を比較的短期間に効果的に再生させますが、総合的なバランス効果という点については、やや欠けますので、先ほどの5年間が経過しても成果が出ない、と言うことがあります。

2.総合コンサルタント
企業再生には、部分的な改善では効果は少ない。
企業体質の根本からの変革が再生である、とするタイプ。
 企業の組織能力を向上させ、経営機能全般の質を高めることに重点を置きます。この種のタイプには、総合的な知識と経験から積まれたノウハウが必要ですので、日本では少ない存在です。
 経営資源の効率度合いを測り、経営資源が効果的に活かされる組織を再構築し、企業存続に向かってコンサルティングを進めます。
 このタイプのコンサルタントは、自分の不得意な分野を補えるように他のコンサルタントと連携した総合的なコンサルティング・システムを作っています。このタイプのコンサルティングには、機能別コンサルタントよりも期間を必要としますが、根本的な企業体質の向上には効果が高いです。
 私たちのグループは、このタイプに属します。
 先にコンサルタントが入っていた企業と、新たに私たちが契約したケースが幾たびかありました。
 大体、企業側がコンサルタントの得意不得意の分野に気づかず、他からの紹介で契約したが、企業側の要求とコンサルタントの得意分野とが合わなく、コンサルタントの一方的なやり方に疑問を持ち、結局は契約途中でコンサルタントと別れることが多いようです。
 コンサルタントの得意分野が、当社の再生と発展に役立つことになるかどうかを、当初の内に企業側が納得できることがコンサルタントを活用する一番の要と思います。
(森井記/2007.05)


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